一如会 駒澤大学高等学校

ベトナム・フエ植樹ツアー参加記録/浦 敏之

第一部

第二部 植樹の日

第三部

6時35分植樹会場であるランコー村(Lang Co)に出発。国道1号線を南下する。ハノイ市とホーチミン市を結ぶ鉄道線路に沿って走る。ハノイ・ホーチミン間は約3,000kmあり、40時間かかる。海岸沿いを走るが護岸は低く、高波は直接田んぼや畑を飲んでしまいそうだ。汐の影響で収穫量は少ないとのこと。農民の平均月収は2万円位だそうだ。バスは時速40kmに制限されているとかでゆったりと進む。乗用車が次々と追い越して行く。

8時15分やっとランコーホテルに到着。開会式の会場へ入る。会場には学生たちと日本からのボランティアであふれていた。今回の参加者は日本からのボランティア144名、現地イオン関係者60名、現地学生等300名の計504名である。現地の学生は中学、高校、大学生たちで、フエの学生たちは日本語を勉強している。ベトナム語をまったく理解できない者にとっては現地の人々と交流することができて大変良い企画である。

人民政府委員長の挨拶、イオン環境財団岡田理事長挨拶があり、その後植樹についての説明があった。由紀さおり・安田祥子の「木を植えて」とベトナムの歌の「木をくんで」を合唱し開会式は終了した。


挨拶の内容から推察するに、この土地の木は長年生活用材として伐採され、その跡地は放置されていたため表土が流失してしまった。国土を守るため植樹する必要がある。昨年より3カ年計画で植樹をすることになった。2haに4000本のアカシアの木を植える。本日植えるアカシアの苗は現地に合うように改良された栽培種である。

参加者を10グループに分け、9時30分より10時30分までの1時間の作業である。

作業地までバスで移動した。狭い所に500名の人が集まるので係りは大変だ。かなり待たされ、少々くたびれたころ線路を渡り、日本とベトナム両国の国旗が飾られた道を植樹会場に行く。手前側にある昨年植樹した木は樹高2m~3mに育っていた。


斜面はかなりきつくやっと上に行き、準備された穴に30㎝ほどのアカシアの苗を植える。最初は穴が掘られ木がそばに置いてあったが、次の苗は斜面の下の方に束になっていたので学生にとって来てもらった。土は硬く、石も混ざっていて持参した小さなスコップでは穴を掘ることができない。大きなスコップをもつ学生と共同作業で三本植え終わったところで「時間ですよ」、との呼びかけがあった。木を植えるためにベトナムに来たがたったの三本は少なすぎた。予定では一人10本以上植えることになっていたのだが。表土が流され、石が多く、土地は硬い、その上に斜面がきつく足の確保に神経を使わなければならい場所での植樹のために思いのほか時間がかかってしまった。これまで17年間行っている中国内モンゴルのカルチン沙地の荒漠化土地では流動沙丘に草方格を作ったり、ほぼ平地に植樹していたため、予定より多く木を植えることが多かったが、今回の植樹場所はマレーシアのカリマンタン島のコタ・キナバルの植林地と同じ位に険しい斜面であった。


植樹場所から海を眺める。穏やかな海である。山の下を列車が走る。三々五々山を降り、線路を渡りバスでホテルに向かう。ホテルには昼食が用意されていた。学生たちと共に食卓を囲み、おしゃべりをしながら昼食を楽しむ。隣の学生はフエ大学4年生で、大学に入学してから日本語を学んだそうだ。大学では日本語を専攻しているそうだが、美しい日本語を話した。「Skypeしますか」と聞かれ少々びっくりした。iPhoneを取り出し、Skype名を登録していた。世界同じように携帯電話が広がり、使いこなしている。舞台ではそれぞれのグループの代表の学生たちが元気な歌を披露した。両国のボランティアが一緒に歌うグループもあった。