一如会 駒澤大学高等学校

ジャカルタ植樹とバリ島を訪ねて/浦 敏之

第一部 マングローブ植樹

第二部

2012年7月14日(土) 成田国際空港に集合

いつものようにセンター南駅からバスで成田国際空港に行く。第一ターミナル北ウイングに集合であった。バスを降りて何の不安もなくいつもの南ウイングに進むが集合場所がみあたらない。集合場所の地図を手に売店で聞くとこれは北ウイングであるので、北まで行くようにとのこと。第一ターミナルをどんどん進みやっと集合場所に着いた。ジャスベルの係より書類をもらい、中西さん、水野さん、早坂さん、我妻さんで出国手続きをし、搭乗口に行く。今回のグループは我妻、早坂、竹内母娘、小関夫妻、中西、水野、常盤、木村、浦、添乗員青木の12名の皆さんである。本日の航空会社は「Garuda Indonesia」で搭乗口はNo.21である。ガルーダ・インドネシア航空は初乗りである。

搭乗時間まで搭乗口横にある喫茶店にて生ビールで喉を潤し過ごす。

<ジャカルタ空港「Soekarno-Hatta International Airport」>

機内で食後ウトウトしながら過ごしていると着陸態勢に入るとの放送があった。17時10分着陸後、ターミナルを進みターンテーブルまで行く。トイレを探すとトイレの掲示の横に祈る人を映す看板があった。ここはイスラム圏だと理解する。空港内の祈りの部屋には何人もの人が出入りしていた。トイレの前には二体の神の彫り物が安置されていた。

建物の外はむっとする暑さとひっきりなしに行き来する自動車と人の波があった。6時30分駐車場でバスに乗り、ホテルに向けて出発する。

<ホテル「The Sultan Hotel Jakarta」へ>

このホテルは大きく、いくつかのブロックに分かれている。ロビーを入ると壁面には絵がかけられていた。売り絵である。我々はラグーンタワーに滞在する。部屋割り後自室へ。このホテルは元ヒルトンホテルであったとか。なるほどよくできている。庭にはプールやテニスコートがある。プールには優雅そうに泳ぐ人がいる。庭を散歩したが手入れが行き届き、庭園は広く花々が咲く。

<夕食 中華料理店「南翔」>

中西さん、常盤さん、水野さんと夕食をとる。ホテル内にある中華料理店である。この店は上海に本店がある有名な店だそうだ。料理は香辛料がきいていて汗が出た。バリ島のビンタンビール(Bintang Beer)を飲む。どうも口に残る味が好みではなかった。後日HPを調べるとビンタンは大変評判が良いとの書き込みが多くあったことを書き添えておく。この後もレストランにあるのはビンタンビールばかりである。店の人の話ではビンタンビールの方がバリハイビール(Bali Hai Beer)より人気があるとのこと。

ワインは常盤さんの見立てでオーストラリア産を飲む。

夕食後は中西・水野さんの部屋で常盤さんとともに懇談する。いつものことながらお世話になります。途中から泉谷さんも加わりにぎやかに過ごす。

7月15日(日)マングローブ植樹

朝食後、6時45分植樹に出発する。今日はイオン環境財団から支給された「MOTTAINAI」Tシャツを全員着て集合した。ホテルから北に海岸をめざし30分ほどで会場に着く。会場は空港へ行く高速道路の南側にある。我々は午後バリ島へ行くので植樹後早めにホテルに帰る必要があるので、ほかの参加者より少し早目に到着した。開会式場に参加者はまだ多くなかった。インドネシアの係の案内で会場に入る。


<現地舞踊とJKT48>

開会式が始まるまで、民族楽器の演奏で男女がジャワのダンスを踊っていた。

若い女子が15名舞台に上がり、聞いたことのある日本語の歌を歌った。「会いたかった」、「・・・I want you・・」「君のことが好きだから」その他であった。AKB48が歌っているのかと思ったが、彼女たちはAKB48の海外初姉妹グループでJKT48 と称し、昨年11月に結成された。もうすでにアイドルグループとして人気が出始めている。現地の日本語紙「じゃかるた新聞」7月17日号にはインドネシア最大の民間テレビ局RCTIが約2時間の放送を行うとある。彼女たちの中には日本人もいて、父親が日本転勤になったが残留しているとか。

《 植樹開会式式典 》

<岡田名誉会長の挨拶>

いつもと変わらずお元気な様子であった。今年87歳になるとのこと。13年後には100歳となるとの話。未来に向かった心意気に敬服する。今回のボランティアは日本から1,300名、現地から700名である。今年は総勢2,000名で23,000本のマングローブの木を植える。

(マングローブの仲間は世界に70~100種類程度ある。マングローブはその総称である。本来であればマングローブの中のどの種類であるかを書き留めたいのであるが、環境財団やジャスベルの関係者が確認するも的確な返答が現地責任者からもらえていないとのことであった。現地の関係者は学術的な区別を必要としないのであろう。樹種については問い合わせていただけることになっている。)昨年と2年間で合計37,000本植える。

この植樹はインドネシアの環境問題で活躍している生物多様性ミドリ賞受賞者のエミル・サリム博士の提唱により開始した事業である。ジャカルタ市内を洪水からまもり、水質保全、環境浄化等様々な効果に期待が込められている。

植樹地のすぐ横を高速道路が走り、居住地がある。


<日本国全権大使とジャカルタ特別州代表の挨拶>

ジャカルタの海岸線にあるマングローブを保護することの重要性は高く認識されており州政府とも緊密な連携のもとにこの事業が展開している。

《 祈りの時間 》

<植樹開始>

祈りの時間が終わり、植樹の時間となった。植樹会場に行くには池にかけられた竹橋を渡る。池の水は濁っていて少々悪臭を含んでいる。池の周りにはチラホラと釣り人がいる。この水で育った魚を釣ってどうするのだろうか。とても食べる気がしないのだが。橋の先に植樹地がある。昨年植えたマングローブが元気良く育っている。

昨年植えた西側にずいぶんと苦労して作っただろうと思われる植樹地がある。竹の足場で区割りし、植樹場所の目印に竹の棒がさしてある。植樹しやすいように区画内の水はかい出してあった。竹の上は濡れた靴が滑る。泥中に落ちるのもかっこよくないので安全第一に竹の通路に腰掛け、穴を掘るが土が固く力を入れなくてはならない、根を覆うビニールを外して掘った穴に木を植える。竹の棒と結んで一本植樹終了となる。1人10本がノルマのようだ。さらに数本隣の区画で植樹した。靴に着いた土は腐敗臭がする。小型スコップと手袋はゴミ回収袋に入れる。


<植樹終了ホテルへ>

軍手をとるが泥で汚れた手をウエットティシュでぬぐい、バスに乗る。汚れた靴が気になるができるだけ泥を落として勘弁してもらう。次々と出てゆくバス群が壮観である。

ホテルに戻り、シャワーを浴び一息つく。昼食は12時30分ホテル内のレストラン「ピーコック」ですます。一休み後、13時30分空港へ向かう。

《 バリ島 》

<ジャカルタ空港からバリ空港「Ngurah Rai International Airport」へ>

空港に向かう途中で、高速道路の南側に先ほどマングローブを植えた植樹地を見る。いくつか区画割りができているところから、植樹のためのプロジェクトが複数あるようだ。主催者の看板がいくつか植樹地に建っていた。

ジャカルタ空港に到着した。ただちに搭乗手続をする。飛行機に預ける荷物には空港内でビニールのひもをかけてもらわなければならい。ガルーダ・インドネシア航空は黄色いテープであった。荷物を預け手軽になり搭乗口に行く。

途中の書店でバリとジャカルタの地図を購入。指定されたNo.21搭乗口で待っていると、No.26 に変更になったということで移動する。南の国はのんびりとしている。No.21の入口で係の女性は搭乗券を確認し赤いシールを貼った。この時点ではゲートの変更が伝わっていなかったのだ。搭乗ブリッジに飛行機が入っていないのでおかしいと感じた人もいたようである。

バリ島に近づくと雲海の上に次々と山が現れた。富士山によく似たコニーデ型の山や頂上から噴煙が上がっている山もある。

バリ国際空港に着陸し、ターンテーブルまで行くとその前に祈り室があった。部屋には絨毯が敷いてある。イスラム教徒の信仰心の篤さを感じた。ホテルのテーブルの引き出しにはメッカを表す矢印(KIBLAT)が貼ってあった。

バスに乗り市内へ向かう。途中現地ガイドよりバリ島の紹介があった。

バリ島の面積は562km²で、人口は300万人である。インドネシアはイスラム教徒が90%であるが、バリ島はヒンズー教徒が90%である。島内に1,320ヵ寺もある。この狭い島に1300の寺である、その規模はさまざまであろう。寺域が広く、伝統的な建造物を持つ立派な寺院も多くある。「ブサキ寺院」は最大の寺である。各方角にある寺は「サドガヤ」といい大きな寺が配置されている。各村ごとの寺は主として「守り神」と「死神」を祀る。地域によっては水田、海、市場を守る機能的な寺もある。普通の住宅かと思われる規模の寺もある。また、どの家にも社(内寺)があり、祖先をまつる。社の大きさも様々である。島内をバスで巡る中で良く理解できた。外を見ていると寺や社が次々と現れる。

バリ島の港は3か所あり、北の「Buleleng Horbour」、南東の「Padangbai Harbour」、南の「Benoa Harbour」である。


<夕食はバリ料理「Barracuda」>

バリ島最初の食事はバリ料理であった。特に変わったものではなく食べなれたおかずであった。赤ワインを注文すると冷やしてあった。常盤さんの話では赤ワインは冷やすと味が悪くなるので冷やさないとのこと。


<夕食後ホテルへ>

ホテル「Grand Mirage Resort」はリゾートホテルが並ぶヌサドゥアから半島を進んだところにあるタンジュン・ブノア「Tanjung Benoa」地区にある。部屋割りのあと階下の各自室に。今回は珍しくグループの人々がすべて並びの部屋であった。

ここはリゾートホテルで占有ビーチを持っている。部屋のベランダから海に出ることができた。ビーチにはデッキチェアーが設置されていた。のんびりと時間を過ごすには最適である。しかし、日の高いうちはのんびり座って時を過ごす習慣がない。時間があればすぐに歩き回りたくなる。数分椅子で横になったが、一通りビーチを散策したくなった。さまざまなヤシ類がある。ブーゲンビリアが咲き競っている。

テレビをつけるとチャンネルはNHKに設定されていた。サービスであろう。

就寝前は恒例の水野・中西さんの部屋で懇談会に参加する。夜が更けるのも忘れて皆さんの話に聞き入ってしまった。

<ジャカルタ植樹とバリ島を訪ねて> 第二部は、2012年10月公開予定です。お楽しみに!

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